東大卒無職が9か月で公認会計士試験を突破した記録

仕事を辞めて受験専念をした東大卒が6か月で公認会計士短答式、その後3か月で論文式に挑んだ記録です。

退職し公認会計士試験に受験専念するべきか?9か月の体験談と感想

社会人で公認会計士試験に向けて勉強を始めると時間がなく退職して勉強時間を確保したい、片手間な勉強では受からない気がするので受験専念したいといった気持になることがあると思います。私も社会人の時に会計士を目指すことを決めましたが、勉強時間が全然確保できず退職し受験専念をしていました。

言わずもがなですが、退職というのは重大な決断です。できる限りよく考えて決めるべきだと思います。私も3か月くらい毎日のように考えて決断しました。

 

この記事が退職・受験専念をするか悩まれている方の考えの1つの参考になれば幸いです。

 

退職・受験専念を決意した私の状況

まずは前提条件として私の当時の状況について説明します。

 

私は大学卒業後、新卒で1年9か月会社に勤めた後退職しています。当時の給与については監査法人よりも少し低いくらいのもので、忙しかったですが申し分ありませんでした。目先の給与というよりも将来独立を見据えて働きたいと思ったため会計士を目指すことにしました。

 

大学は東大で勉強自体はもともと得意でした。なので退職し受験専念をすれば9か月でも十分合格できると考えていました。また、会社に勤めながら勉強すると会計士試験合格までにもう1,2年くらいはかかるだろうと感じていたので、新しくキャリアをスタートするなら早い方がいいと思い、退職・受験専念を決意しました。

 

実際に退職・受験専念した感想

月並みな表現になりますが、受験一本に絞るというのは想像の何倍も苦しかったです。これは金銭面、家族、合格へのプレッシャーへの負担といった理由です。

金銭的な面については貯金や妻の収入で生活することはできたものの、自分の収入がほとんどなく現金が毎日減っていくのを見るのは中々過酷です。家族にも多少なりとも心配や負担を与えることになるので、メンタルが弱っているときにはそれもプレッシャーになります。また、私は試験に合格できる自信はあったものの、それでも一発で合格しなければいけないという状況は相当なプレッシャーでした。大学受験のように複数受験した結果受かったところに行けばいいということはできないので、試験に対する緊張感は今までに感じたことがないほどでした。

こういった状況を総合して、受験専念期間中は相当な重圧を感じていました。学習2か月目くらいは知識の定着が甘く、焦るあまり夜中に何度も起きてしまう、眠れないといったこともありました。

 

今にして思うと、若いときの時間は貴重ではありますが、私の場合は専念しても1~2年短縮できるくらいだったので、社会人をやりながらのんびり勉強しても良かったかなと思っています(社会人の受験生も相当います)。

 

退職・受験専念を決める基準

退職し受験専念をされるかを悩まれている方に向けて、私が考えていた判断基準を3つお話させてください。

 

1つ目は、合格する自信があることです。受験専念をする目的は会計士試験に合格するためです。受験専念をした判断が正解か否かは、残酷ですが最終的に試験に合格できたか否かで決まってしまいます。仮に受験専念をして受かるかどうか分からないという精神状態で勉強をし続けるのは想像を絶する辛さがあります。受かる自信のある人の何倍ものプレッシャーを感じると思います。不合格という恐怖により自身を律することができることはメリットでもありますが、その恐怖が大きすぎると本来できる勉強もできなくなってしまいます。勝負ごとに絶対はないので合格に確信は持てないと思いますが、受験専念したら多分受かりそうくらいの自信は持っておくことはおすすめします。

 

2つ目は、勉強期間を短縮することです。仕事をしながら勉強したら3年かかるところを受験専念すれば1.5年で合格するプランを実行する、このように期間を短縮しなければ「仕事により得られるはずだった金銭」と「短縮できた時間」のリスクとリターンが釣り合わないことになります。仕事を辞めた以上、ダラダラ勉強することは非合理的であるということです。もちろん、期間は人それぞれなので人よりも時間がかかる=ダメというわけではありません。

 

最後は、もしダメだったらきっぱり諦める覚悟があることです。本来、勉強時間自体は長ければ長いほど試験合格には有利ですが、受験専念という状況下では期間が長いほど不利になると考えています。これは主に受験専念という精神的な重圧が理由です。期間が長ければ長いほど勉強を続けることは精神的に辛くなりますし、今日一日の勉強に対する真剣さは逓減し、かえって合格から遠のいてしまうと思います。自分のプラン通りに合格できなければ、バイトや再就職してのんびり勉強を続けてもいいですし、会計士以外の道を探すのもいいと思います。私の場合は9か月で合格できなければ再就職して勉強を続ける、本試験の成績が箸にも棒にも掛からないようであればセンスがないのだと考えて会計士は諦めて再就職することを決めていました。

 

以上のことを私は仕事を辞める前の3か月くらい毎日考えていました。その他にも今の仕事のほうがいいかもしれないとか、今仕事を辞めるのは逃げじゃないかとかそういうことも考えました。ですがこのような問いには答えはなく、いくら考えても分かりません。上記の3つを考えながら、最終的には勢いで受験専念という道に飛び込んだことになります。私もこれだけ考えても受験専念中はそれでも相当辛かったので、苦しいことは間違いないです笑。

 

退職・受験専念をされている方に向けて

最後に、もし受験専念されている方がこの記事を読まれているなら、心が折れそうでも次の試験までは勉強を頑張ってほしいと思います。

私もそうでしたが、やはり不安は勉強して成績を上げることでしか解消できません。適度な息抜きは必要ですが、勉強は毎日の積み重ねという側面がかなり強いので、カイジの大槻班長が言うように今日を頑張らないと明日はないです。それで万が一ダメだったら勉強を辞めてもいいと思います。

次の一回で絶対に合格する心意気で、体を壊さない程度に限界まで勉強して、合格に必要な要素を考え続ければきっと合格できます。頑張りましょう!