東大卒無職が9か月で公認会計士試験を突破した記録

仕事を辞めて受験専念をした東大卒が6か月で公認会計士短答式、その後3か月で論文式に挑んだ記録です。

公認会計士試験短期合格のために必要なこと、アドバイス

どうやったら短期合格できますか?コツやアドバイスはありますか?

 

このような質問をいただくことがあります。最短で試験を突破したい気持ちは皆同じです。

私自身は9か月くらいで会計士試験に合格することができ、一般的には短い期間で合格することができた部類に入ると思います。

短期合格できた理由といっても様々あるわけで正直答えに窮していました。とはいえ、このような質問をいただけるのは非常に光栄なことであり、私なりに考えてみたことを残しておこうと思いました。ポエム風な内容で偉そうだと思われる方もいらっしゃると思いますが、その点はご容赦ください。

 

短期合格に必要なこと

さて、短期合格に必要なこと、もっと言えば合格するために必要なことになりますが、一言でいうならば

自分の合格に必要なこと以外はしない』

ということに尽きると考えています。これは『予備校や合格者からの情報を鵜呑みにしないと言い換えられるかもしれません。

 

要するに、自分にとって必要な勉強を見極め、無駄な勉強を極力排除しようということです。必要、不要はあくまでも自分にとってで、他の受験生や大衆にとってではありません。なので、あえて『自分の合格』という風に言っています。

 

会計士受験生は試験が非常に難しいことを理解しているため、膨大な勉強時間が必要だということは理解しています。真剣に、毎日長時間、年単位で頑張っている人が多いと思います。ですので、よく言う「成績上位者も勉強しているから自分はもっと勉強しなければいけない」というのは少し努力のベクトルがずれており、解決策にはなっていないと感じることがあります。例えば、一日7時間勉強している人が10時間勉強すれば合格できるようになるのか?ということです。勉強時間は長ければ長いほど良いというのは確かですが、闇雲に勉強時間を伸ばすことだけが努力ではないはずです。

学校や仕事が忙しく、なんとか時間を捻出して勉強しているならば、勉強時間を増やすことが解決策になるとは思います。ですがこの場合でも持ち時間は変えられないことが多いので、勉強時間を増やす以外の努力が必要になります。

 

少し脱線しました。『自分の合格に必要なこと以外はしない』というのは当たり前だと思われた方も多いと思います。ですが、本当に実践できていますか?合格に必要なこと=点数を取ることですが、毎日今やっている勉強は点数に結びつくと自信を持って言えますか?

 

例えば、私は受験時代に以下の疑問を持っていました。

  • 理解を突き詰めれば問題は解けるようになるのか?なんとなく内容が分かったら暗記してしまった方が早いんじゃないか?
  • 講義は見る必要があるのか?
  • 答練をやっていれば過去問はやらなくていいのか?
  • 企業法短答式の勉強に条文は必要なのか?条文の使い道なんて論文式の勉強をしないと分からないのに学習初期から条文を読む必要はあるのか?
  • 監査論論文式で他の受験生が書いた答案を数時間かけて見てどうなるのか?皆が迷うようなところで点数を取らないといけないのか?
  • 5月短答合格者にとって租税法の消費税はその大部分を切るほどコスパが悪いのか?

これらはどれも予備校などで言われていたりすることだと思います。勉強法に正解はありませんから、予備校が間違っていて私が正しいというつもりはありません。

ここで考えていただきたいのは、普段何気なくやっている勉強はもしかしたら自分にとっては必要でないかもしれないということです。情報を鵜呑みにしないというのはこういった意味になります。

 

残酷ですが点数にならない勉強をいくらやっても試験では評価されません。点にならないどころか、無駄な勉強をすることで必要な勉強ができなくなることもあります。無駄なことを覚えれば必要なことを覚えるキャパがなくなります。成績が頭打ちになっていたり、力が伸びている実感がないのなら、もしかしたら今やっていることは試験合格という目的においては不要なことかもしれません。

 

自分に必要な勉強を見極めるにはどうすればいいか?

テキストや問題集で勉強し、答練や模試、過去問を解き、その手応えからどのように日々の勉強を改善すれば次にもっと点数が取れるか、これを淡々と繰り返すことです。

知識に抜けがあることが一番の課題だと感じたら、ひたすら暗記に注力する。それが改善できたら、また次の課題を見つけ、大きな課題から1つずつ潰していく。これが最も効率が良いです。

とはいえ、これは非常に抽象的です。問題集を何周やれば受かるとかそういうことではありません。予備校の言うことを聞いてればいいというものでもありません。自分で何をやれば今より点が取れるようになるのかを考えながら作業(勉強)し、少しずつレベルを上げていくのです。

 

抽象論に終始してしまっても参考にならないと思うので、私の経験から具体例を挙げてみます。短答学習時の記録になりますが、私は過去問などの演習をしたらこのように振り返っていました。例えば企業法ならどの問題にも知らない点が1-2個あるという知識の漏れを感じたので、問題集を覚えていくことで対策しました。

 

なんの変哲もない対策ですが、理解は暗記よりも大事だという固定観念がある人だったらどう対策するでしょうか?また1から授業を見たり、テキストを読んでこじつけの理由を考えて…なんてするかもしれません。私は理解よりも暗記が大事だ(点数に直結する)と考えているので愚直に問題集を覚えました。

また、テキストの読み込みが重要と言われることも多いです。ですがテキストではなく問題集で覚えたのは問題集には重要な論点が詰まっていること、覚えるには必ずアウトプットが必要なことなどが理由です。このように何の変哲もない知識の詰め込みでも、自分に合った方法で行うにはこれだけ考えることがあります。

 

もちろん、私の考えには賛同せず、予備校や他の合格者が言うような方法で勉強しても全く問題ありません。ですが、重要なのは予備校の考えや正しそうなことに思考停止で乗っかるのではなく、自分自身で課題と対策を考えることです。そうすれば仮に間違った道を進んでいても途中で気づき、方向転換することができます。

 

最初から正解の勉強法を知っていれば最短経路で合格まで辿り着けるはずではありますが、そもそも正解の勉強法なんてありません。予備校の先生のアドバイスは有用な情報ですが、1から100まで全て聞いてその通りにするなんて不可能なので自分で考えることはいつかは必要になりますし、これをやれば受かるといった勉強法を探すこと自体が遠回りになってしまうこともあります。

 

会計士受験においては皆が同じような教材を与えられ、勉強法もいくらでも調べられる状況で、周りに差をつけるためには自分に必要な教材、勉強方法を選択することです。

 

取り留めのない文章になってしまいましたが、勉強に行き詰った人やこれから会計士試験を受ける人の参考になれば幸いです。