東大卒無職が9か月で公認会計士試験を突破した記録

仕事を辞めて受験専念をした東大卒が6か月で公認会計士短答式、その後3か月で論文式に挑んだ記録です。

【令和4年公認会計士論文式】企業法の自己採点結果と感想

令和4年公認会計士論文式試験を受けてきたので、自己採点と感想を書いてみたいと思います。今回企業法になります。

理論問題は自己採点が実質できないので感想のみ、計算問題は問題用紙のメモを確認して自己採点をしています。

 

企業法は短答式前にも論文対策集の学習を始めていたのですが、本試験1か月前の模試では、企業法単体でE判定でした。模試により学習方法を間違えていたことに気づき、そこから問題提起→規範→あてはめと答案構成を意識して行うようにしました。それまでは正直これらを全く意識していなかったので、典型問題以外には全く対応できない間違った勉強をしてしまっていました。効果的な勉強ができた期間が短かったため、本試験では高望みをせず、合格ボーダーが取れれば十分と考えていました。

 

本試験では以下の順に、各大問につき20分で答案構成を考え、40分で実際に答案を書いていました。悩みだすときりがないので、時間配分には最後まで苦労しました。

 

第2問 問題1

問題をざっと見渡し、書きやすそうな第2問から解くことにしました。

「債権者異議手続きは消滅会社等に債務履行請求できない債権者が対象→β事業の債権者が対象」という感じで書きました。内容自体は大丈夫そうです。迷いましたが、一応かっこ書の適用はないということも書いておきました。TACの模範解答には入っているので書いておいて良かったです。

 

第2問 問題2

続いて問題2(不法行為による債務の履行請求)ですが、これはCPAの模試で出題された論点です。模試では手も足も出ずE判定を取る原因となった問題でした。模試で出題されたため対応できたものの、初見だったたら模試と同じことになってしまっていたためラッキーでした・・・。とはいっても実際の解答ではかなり悩みました。

 

とりあえず問題を読み、模試で出た問題と似ていること、周辺の条文を見てもその他に当てはまるものがないことから、不法行為による債務だと予想。ただ、民法の知識が一切ないため、そもそも異物混入が不法行為なのかが分かりませんでした。しょうがないので一か八か「異物混入は不法行為なので」と書きました。当然民法709条なんて書いていません。

 

続いて通常通り、条文に従い要件を書き出しました。

また、この問題では組織再編の効力発生日、異物混入による体調不良発生、異物混入の発覚の時系列が入り組んでいました。不法行為による債務はどの時点で発生するのかが分からず、「不法行為による債権者を広く保護するため、実質的に不利益が発生した時点で債務が発生」と書いておきました。この点は模範解答では特に触れられておらず、法律の世界では常識のようですね。民法が絡む問題?は会社法の知識だけでは対応しきれないので、答案の大きな流れに影響がなければ多少間違えていてもいいと思っていました。

 

その他は大体模範解答と似たような感じでかけた気がしますが、この時点で1時間と数分経過していました。焦りから債務履行請求は承継財産を限度ということを書き忘れました。他にも書き漏らした点や雑に書いてしまった部分で結構減点されてしまっていると予想されます。

 

第1問 問題2

若干焦りながら第1問に取り掛かりました。とりあえず問題1を見たのですがすぐには分からなかったので、回答がすぐに浮かんだ問題2から解きました。

この問題もCPAの論文対策講義で取り扱っていた論点でした。講義は見ていないのですが、講師の方がオリジナルで作られた問題に解任の正当な理由についての問題があったので、うろ覚えではあったのですがある程度は書けたと思います。

ただ、「もらえるはずであった報酬分の請求ができる」と書いただけで、任期や何年分の報酬が請求できるという結論が漏れてしまいました。問題1が難しそうだったため、問題2で時間を節約しようとして焦ってしまいました。

 

第1問 問題1

多額の借財にも当たらなそうだし、組織再編でもなさそうだし、取締役会決議が必要ということではないのかも?と思い、3分程度条文を見ながら考えました。もしかしたら業務執行権限の有無が問題になるのか?と思い、363条を使って答案を構成していくことにしました。363条については模範解答では特に触れられていないのですが、私の答案と模範解答のどちらも論じていることは概ね同じだと思います。

 

とりあえず挨拶代わりに多額の借財には当たらないことを書きました。

続いて、「業務執行権限は代表取締役か取締役会の選定が必要(363条)だが、Bが代表取締役に適法に選任されているかが問題となる」という感じで書きました。株主が一人の場合に株主総会が必要か?という点と、株主総会で代表取締役を選定できるか?という2つについて模範解答と同様に論じました。この2点自体はインプットはできていたものの時間があまりなく、また、しっかり書くと答案の行数が足りなかったため、端折りながら規範定立等を行いました。答案がかなり雑になってしまったので結構減点されてしまっているのではないかと思います。

 

結局、試験終了3分前に答案が書き終わりました。見直しをする時間はありませんでしたが、とりあえず書ききることはできてほっとしました(模試や答練では書ききれないことも何度かあったので)。

 

総括

企業法に関しては全く自信がなく自分の感覚もあてにならないと思っていること、全問題で回答の大筋は外していないことを考えて、合格ボーダーは取れていてほしいという希望的観測をしています笑。

 

企業法は個人的には結構好きな科目ではありました。数学に似た要素があるので非常に論理的だと思ったためです。一方で、会社法の知識しかなく法律の常識的な考え方を一切持っていないので、普遍的な考え方が分からずふわふわした感じがしていましたし、初見の問題には対応することが難しいと感じていました。結局最後までその感覚が消えることはなかったです。